斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

母親の誇り:「あたし おかあさんだから」の話

 

 

 

今日も寒い1日でした。お疲れ様です。

 

鼻ってすごくて、吸った冷たい空気を鼻の中で瞬間的に温めて、喉に負担をかけないようにするシステムがあるみたいです。だから寒い時って鼻が赤くなるんですって。ただ、最近の朝の寒さは度を超えてますね。さすがの鼻も全く仕事が追いついてないです。ちょっと外歩いただけで喉キンキンに冷えます。

 

 

ところで最近の話題といえば、アレですね。

あたし おかあさんだから

 

わたしは保育系の仕事とかではないんですけど、職場の関係で、平日の夕方は職場のテレビに「おかあさんといっしょ」が流れてるんです。初めは、だいすけお兄さんは個人的にあまり好きではなかったんですけど、毎週 観ているうちにだんだん好感が持ててきて、卒業の時はなんだか寂しい気持ちになってしまうほどでした。歌のおにいさんのタレント性って、やっぱり凄いですね。子供たちのみならず大人まで魅了されてしまいます。(わたしが単純なだけかも)

 

 

そんな話はさておき、問題はこの歌です。

 

わたしの正直な感想はといえば、フツーにいい歌じゃん!です。なんでそんなに批判されているんですか?ま、これは20代独身女性の観点ですがね。

 

 

確かにこの歌は、一見ちょっと切ないです。わたし、少しだけ泣きそうになりました。なぜ泣きそうになったかというと、お母さんって可哀想と思ったからでも、そんなことならお母さんにはなりたくないと思ったからでもありません。「お母さん」という人生の強さと健気さを感じたんです。そうか、だからお母さんって強いんだ、と思って泣けたのです。育児を妻に押し付けて、自分の仕事と趣味に没頭する父親なんかよりは、ずっと強いのです。だからわたしは、すごく素敵な歌だなという印象を持ちました。

 

みんなこの歌をネガティブに捉え過ぎじゃないですか?散々話題になってるので敢えて歌詞は載せませんけど、母性を美化しているとか、母親を子育てに縛らせようとしている、という批判があるようです。だけどこの歌詞って、美化どころか、とても正直な母親の気持ちではないですか?お母さんは子供のためにいろんな事を我慢してるんだ、そう直接言わないまでも、遠回しに言ってるんですよね。そしてそう思ってしまう事やその葛藤を誰も責めてない。むしろ擁護してるんです。お母さんの味方のような歌詞だと思うのです。

 

子育てには、その我慢とは比べ物にならないほどの喜びと満足感があるんだ、だってわたしはお母さんだから。だからわたしは、あなたのお母さんになる事を選んだ自分を決して後悔していない、っていう強い気持ちを背後に感じ取れないですか?「お母さんである自分」を誇らしく思ってる人の歌です。つまり、そう思ってない人が不快に感じるんだと思います。誰も馬鹿にしてないし、責めてもいないのに。

 

つまり、これは「我慢の歌」でも「呪いの歌」でもなく、「誇りの歌」なんです。

 

 

わたしは子供を産む予定は今のところないですが(そもそも結婚相手候補すらいませんし)、でももし自分が親になるとしたらって考えたことはあります。これはもう、そもそも論になってしまいますが、わたしとしてはそもそも、子供を産むってことは自分を半分捨てるようなものだと思っています。だって、子供が産まれたら自分の人生そこから子供のために生きるようなものじゃないですか。ネイルができなくなることも、夜中遊べなくなることも、覚悟の上で子供を産むのが普通です。ネイルしてるお母さんだっているじゃん、なんて意見は説明するまでもなく野暮です。馬鹿かと思います。とにかく、最低でもその後 20年は絶対子供優先なことは確かですよね?それを覚悟せずに子供を産むなんて、おかしなことです。

 

子供にこんな歌を聞かせたくないって言う人がいます。言いたいことはわかります。でもよく考えてみれば、自分の親だってそうだったんじゃないですか?自分の親だって、数え切れないくらいのものを後にして自分を育ててくれた。だから今の自分があるんじゃないんですか?そういう親を誇らしく思いませんか?ありがたく思いませんか?親はあなたを育てたことを後悔してますか?ほとんどの親はそんなことはないと思います。もしくは、自分のせいで親は自由を奪われてしまったと思いますか?ほとんどの人はそんなこと言わないと思います。親になるってそういうことだとわたしは思います。

 

だから、親になっても、今までと全く同じように自分らしく人生を謳歌したいなんていうのは、はっきり言ってただのワガママです。だって、親になった時点で、自分だけじゃなく子供の人生も負わなきゃいけないのは事実なんだから。偉そうなこと言いますけど、そういう自覚のない親が多すぎると思います。

 

 

この歌の問題点を強いて挙げるとすれば、我慢したことばかりを歌っているところです。もちろん最後には、それらの我慢全部より母親になれたことの喜びを歌っている詞がありますが、もっと子育ての喜びを具体的に入れてくれたらよかったのになって思います。お母さんになって良かったって思う毎日のふとした瞬間を歌ってほしかったです。でももしかしたら作者は、そんなことしたら、それこそ親の苦労を美化してると思われてしまう気がしたんじゃないでしょうか。

 

お母さんの形はいろいろあります。いろんな考え方の人がいます。でも、歌の歌詞とか表面的な部分だけを見て思ったことをすぐ口に出すのでなくて、もっと奥にある精神的な部分とか、作者の意図とかをもっとよく考察してほしいと思います。そして自分も含めてですが、あらゆることをポジティブに捉えられるような人でありたいです。