斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

部屋

今週のお題「わたしの部屋」

 

 

私の部屋は信じられないくらい散らかっている。

 

 

片付けられないのは小学生の時からで、当時から耳にタコができるほど「部屋を片付けなさい」、「出した物は元あった場所に仕舞いなさい」と母親に言われ続けてきたが、その母親自身全く片付けができない人なので、無論その指令が私の心に達することはなかった。私の部屋は家族からは豚小屋と揶揄され、自分でも改めて自室を入口から眺めるとその散らかりように笑いが込み上げてくる時さえある。散らかった部屋の様子を「泥棒が入ったような」と形容することがあるが、私の部屋は「泥棒が入って住人と鉢合わせしてしまい、取っ組み合いになっているところに突如 大地震が発生してしまったような」部屋というのがしっくりくる。

 

 

片付けられないと一口に言っても、色々なタイプがある。化粧品を出しっぱなしにする、服を脱ぎ捨ててしまわない、使用済みの食器を洗えない、ゴミを溜め込んでしまう、洗濯ができない、本を積み上げる、などなど。ではここでさらなる情報として、私自身がどのような類の「片付けられない人間」なのかということを知っていただくために、私が片付けられない物ランキング、トップ3を紹介したいと思う。

 

 

 

【第3位 宅配ダンボール】

ネット通販で購入し自宅に届いた荷物の梱包ダンボール。まず、今すぐ必要なものでない限り開けない。開封ダンボール。次いで、開けて中身を取り出すだけ取り出して潰されていないダンボール。口の開いたダンボーが点在する。そしてやっと潰しても今度はゴミ出しを忘れてひたすら溜まっていく。ペタンコになったダンボール。ダンボール、ダンボール、ダンボール.........。仮に今すぐ家を追い出されても、これだけのダンボールがあれば大丈夫。

 

 

 

【第2位 衣服 バッグ類】

衣服の洗濯は好きだ。干すのも好き。でも取り込んで畳むのが死ぬほど嫌い。カーテンレールに乾き済みの洗濯物が2、3日吊るされたままになり、そこから今日着る服を選ぶといった感じ。まぁこれはやってる人割りと多いと思うけど。1度出した服を畳んでタンスにしまうのが難しい。1度着ただけでは洗わない服もある、そういったやり場のない服たちが、日中はベッドの上に、就寝時は椅子の上に移動させられるというサイクルを永久不変にひたすら繰り返している。

バッグ置き場は基本的に部屋の入口付近の床。帰宅してドサッと置き、出掛ける時にそこから持ち上げるだけ。どこかに引っ掛けるでも、しまうでも無い。ただ、床に置く。

 

 

 

【第1位 飲み終わったペットボトル】

これは少し不潔に聞こえるかもしれないので、勇気のいる告白だ。ただひとつ言っておきたいのは、中身が入った状態のペットボトルは無いということ。私は飲み残しをすることが無い。部屋に多く見られるのは、完全に飲みきった空のペットボトルである。ただ、①ラベルとキャップを外し、②中身を洗い、③潰す という作業工程が不可能に近いと思われる。日々のちょっとした掃除でも、ワンシーズンに一度の大掃除でも、特に多く発見されるのがこの空のペットボトルである。

 

 

 

 

さて、散らかった部屋に住んでいる人の心に必ず存在するのが「このほうが私は落ち着く」というマインドだ。もちろん、大掃除をした後の綺麗な部屋も好きだ。でも3日後には見事に とっ散らかる。ということはつまり、私は心の奥ではこの散らかりを求めているのだ、と私は中学生の時点で完全に悟った。とはいえ、あまりの散らかりように自己嫌悪になる時だってある。友達の家に遊びに行って整頓された綺麗な部屋を見た後でこの乱雑な部屋に帰って来ると、自分はなんてできない人間なんだという気持ちにもなる。それもまた、とても人間らしい健全な思考ではないだろうか。「散らかっている方が落ち着くという気持ち:散らかり具合に自己嫌悪になる気持ち=7:3」、 多少の変動はあるが、平常時はこの割合で過ごしていると理解していただければ良い。

 

 

 

部屋の片付けのコツなら、何度となくGoogle検索してきた。3割ぽっちの自己嫌悪に陥るタイミングで、あらゆる片付け法を試したりもしてみた。でも私の部屋はいつも通り、泥棒と取っ組み合いになって〜以下省略〜ような部屋であることは変わらない。

 

 

 

そして今は、適度に散らかっていてもいい、それが私の部屋だ、という気持ちでいる。嬉しいことがあった日も、泣きながら帰ってきた日も、いつでも迎えてくれるのはこの乱雑な部屋で、ここが私の居場所、オフになる場所だ。ここでひとり音楽をかけて踊り回ってみたり、うずくまって涙を流してみたり、眠れぬ夜を過ごしたりするんだ。ダンボールや空のペットボトルや吊るされたままの服たちが、私を見守っている。いつもありがとう。明日は少しだけ片付けてみるね。