斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

まぁるくなったお

 

 

 

マギーズ・プランという映画を観た。出てくる大人がほとんどみんなクズだった。

 

 

結婚はできそうにないが、子供が欲しいので知り合いから精子を提供してもらおうとする女。そんな時に出会った妻子持ちの男と恋に落ち、子供ができる。この女のワガママに、1つの家族が振り回されていく。こういう人間の生き方に共感する人たちが本当にいるのかと思うとゾッとする。言い換えると、こんな人たちがいるんだって勉強になる。しかしわたしは基本的にどんな名画でも、共感できる要素がないと楽しく観れないタイプだから、この映画はまるで楽しくも興味深くもなかったと言える。

 

 

 

作品の内容はさておき、わたしは主演のグレタ・ガーウィグが好きだ。顔は美人だが妙に体格が良く、X脚気味の足でペタペタ歩く感じとかが好きだ。この作品でもそうだったが、彼女はいつも、不器用で大人になれないくすぶり女子を演じている気がして、なんだかそういうところに親近感を感じる。

 

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同じくグレタ・ガーウィグが主演をつとめた「フランシス・ハ」という映画を何年か前に観た。モダンダンサーを目指す27歳の女が、いつもくだらないことで一緒に騒いでいた親友が結婚することになり、自分の人生を見つめなおすという話。とにかくこじらせているというか、どこか幼稚で、何も考えずに大学生のノリみたいなことをずっと続けていたら いつのまにかアラサーになっていた。みたいなパターンだ。この映画は実は、彼女が主演と脚本を兼任している。

 

さらにさらに、グレタがついに監督に挑んだ2017年の映画レディ・バード。これは彼女自身の自伝的映画でもあるらしい。骨折がほぼ治っている(?)腕にショッキングピンクのギプスをはめているところあたり、中二病の匂いがプンプンとくる。

 

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ピンクの髪のシアーシャ・ローナンもまたいい。グレタ・ガーウィグとどこか通じるものがある。尖りだ。

 

 

 

何が言いたいかというと、美人なのに一癖ある女優が好きなのだ。

グレタを見ていると、わたしはどうしても成海璃子を思い出す。成海璃子もまた、一癖ある役者だと思っている。彼女の主演作品の中で最も好きな映画「武士道シックスティーン」では、流行りの服にもカラオケにも恋にも興味なしの、剣道一筋のとっつきにくい馬鹿真面目な高校生を演じている。そういう一癖ある役が、心底似合う。この尖り系の癖がたまらない。ついでにこの2人は なんか体型も似ている気がする。がっしり系というか、ずんぐりした感じが。

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彼女は今 深夜ドラマ「フルーツ宅配便」にも出ているけど、やっぱりわたしの好きな、訳アリな役だ。

 

 

さてこの同じ世代で「美人だけど尖り系の一癖ある女優」は他にも、例えば橋本愛とか門脇麦がいると思っているのだが、この一癖女優軍団に仲間入りするだろうと予想していたのに、見事に外れてしまった女優が一人いる。それは、土屋太鳳である。

 

 

わたしが始めて土屋太鳳を知ったのは、2013年のテレビ東京のドラマ「鈴木先生」だった。主演は、今や朝ドラ俳優ともなった長谷川博己だが、この頃はまだ名前を知らない人も多かったに違いない。わたしも知らなかったが、なんせ顔がタイプだったのと、ドラマが面白かったので観ていた。生徒役には北村匠海未来穂香松岡茉優などがおり、いまでは一線で活躍している役者たちの初々しい姿が見られる。そんななか作中でかなりのキーマンとなった生徒が、土屋太鳳だった。彼女が演じた小川蘇美はクールビューティーでミステリアスな大人びた優等生で、担任の鈴木先生が(いろいろな意味で)女神と称して崇めるほどの、後光が差してるみたいな女子生徒という役どころだった。鈴木先生のアカン妄想にも度々登場(それが見どころでもある)。

 

目は鋭くて、声とかも低くて小さくて、でもなんか透き通った感じで。あんまり笑わないし、どこかに反骨精神みたいな強い信念を持っているけど不器用で、大人とも子供ともつかない不安定で尖った感じ。これこれ〜。出てきたよ、成海系が。と、ワクワクしていたのである。

 

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その彼女が数年後には朝ドラのヒロインに抜擢され、朝から山崎賢人と熱いチューをし、爽健美茶のCMで「美味しくなったお♡」とか言いだすことになるとは思いもしなかった。少女漫画の実写映画でバンバン主演張りまくり、兄に愛されすぎて困ったり、女子高生なのに警官と恋したり。んなことありえないだろっつーの!!みたいな映画ばっかり出ることになるとは・・・なんとも寂しい気持ちである。

 

 

 

果たしてこれが本当に、太鳳の目指した女優道なのだろうか・・・。この疑問が消えることはない(総じて誰だお前は)