斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

おおよそ彼はラジオリスナー

 

 

 

職場に、もう一年くらい一緒に働いてるけどプライベートのことほとんど話したことない無口の30代の男の人が居て、今日ちょっとだけ喋ったんだが、もしかしたら深夜ラジオリスナーかもしれない匂いがしている。

 

 

きっかけは、いつもその人がまかないのうどんのつゆを出汁で薄めて食べてることから、もしかして関西人なのかと思って出身を聞いたことである。結果的に彼は全然関西人ではなかったし、そもそもうどんもそんなに好きじゃないとのことだった。じゃあなんでそんな食い方をするのかと聞くと、タモリさんが博多ではそうやってうどんを食うと言っていたのを聞いて自分もそうしていると彼は答えた。後で「タモリ うどん 博多」でググってみたら、確かに博多にタモリさんが愛するうどん屋さんがあって、そこのうどんはつゆが薄いと書いてあった。

 

 

 

そんなことはさておき、彼の口から「タモリ」という言葉が出た瞬間に私の脳内は稼働し始めた。つまりこういうことである。日常生活にタモリさんの意見取り入れるような人は間違いなくタモリさんが好きだし、タモリさんが好きなら絶対タモリ倶楽部を観てるし、タモリ倶楽部を好んで見るような人は大抵深夜ラジオ聞いてるし、深夜ラジオ聞いてる30代男性はおそらく一度はアルピーann(もしくは有吉さんのサンドリらへん)を通ってる。という独断と偏見によって、私は彼はおそらく深夜ラジオのリスナーであると結論した。

 

 

それと何よりも彼のシャイ感がいかにもラジオリスナーである。普段は口数は少なく、向こうから話しかけてくることはまずないが、かといって人と喋るのが嫌いかというとそうでもなくて、話しかけてみると意外とノッてきて喋り出す。男子相手なら積極的に喋るのに、女子とはあまり話さないところもまた典型的なラジオリスナーである。内気そうに見えて意外と面白いことを言ったり、優しそうに見えて意外と毒舌を吐いたりするところもまたそれを彷彿とさせる。

 

 

 

美容師の男性が大抵チャラくてサーフィン好きなように、長距離トラックの運転手が大抵元ヤンなように、または鉄オタがみんな同じような外見をしているように、タモリが好きな人はラジオという文化を好んでいる可能性が高い。と私は信じている。先週Eテレグレーテルのかまどを観た後にそのまま流していたら、伊集院光さんがやってる教育番組が始まったんだが、そこで紹介されていた社会学の考え方に似ているかもしれない(名前は忘れてしまった)。どうして冴えないアニオタの美容師を見たことがないんだろうと前から疑問に思っていたけど、この番組を観てなんだか頷けたのだ。うまく説明できないけど、簡単に言うと育ちや教育によってその人が好むものは決まるというような考え方だ。だから「アレが好きな人はコレも好き」とか「アレが好き人はコレは苦手」というパターンがなんとなく決まっているというのは事実としてあると思う。例えるならば、タモリ倶楽部が好きな人は深夜ラジオも好きだとか、深夜ラジオが好きな人は女の子と喋るのは不得手だとかいった具合に。

 

 

 

もしアルピーannのリスナーだった場合、自分が川崎出身だと言えばそれだけでしばらくは会話が弾む可能性が高いと言える(会話してくれるかは別として)。さらに言うと今はアルピーdcgを聴いてる可能性が高く、あわよくばチョコレートナナナナイトを聴いてる可能性も高く、さらにさらに言うと乃木坂ファンの可能性も高くなってくる。つまり沈黙の金曜日を聞いているだろう。思い返せば以前に、バイトの大学生の女の子が私に向かって「村崎さんって乃木坂のまいやんに似てると思います」って言った時、それを後ろで聴いていた彼が持っていた鍋だかなんかを盛大にひっくり返したことがあったなぁ・・・(考えすぎだし、念のため付け加えておくとバイトちゃんの目が異常なだけで私はどう頑張っても白石麻衣に1ミリも似ない

 

 

そして彼は、まさかこの私がアルピー三四郎を筆頭に深夜ラジオが好きで(最近はあんまりちゃんと聴いてないけど笑)、【長靴を履いた豚】という謎のラジオネームで三四郎ann0時代にデビューしたことがあり、いつかもらった星のギガボディのノベルティのタトゥーシールをWALKMANの裏に貼っていて(タトゥーシールなのに笑)、ハガキ職人をソラで10人は挙げられて、ゲーム好きでもないのに勇者ああああを毎週欠かさず観ているような女子であるとは、予想だにしていないことだろう。

 

 

 

って書きながらちょっと思ったけど、アルピーann聞いてたにしてはちょっと世代が上かもしれない。私と同年代だったら完全にあり得た話なんだけど。まぁそれにしても、彼が発した「タモリ」という3文字からここまでの興味深い考察(※注)ができるくらいには暇なナスコなのであった。

 

※注:考察という名の妄想であって、事実ラジオの「ラ」の字も話題に上っていないので、この話は実在の人物を元にしたフィクションです。