斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

条件は、今よりいい自分。以上。

 

 

久しぶりにブログにやってきた。気がつけば、わたしにとってはてなブログとは、悲しいことがあると開く革の表紙のような存在になっている。

 

 

 

悲しいというほどでもないけれど、生きるのっててぇへんだな!みたいな気分です。そうなんです、転職したんです。介護の仕事をしばらく続けてきたけど、体力の限界とかまぁいろいろあって・・・でも別にちゃんと円満退社だけどね。

 

久しぶりに職探し。しかも今までやってた介護も、入るときは知り合いのツテもあり、面接って言ってもほとんどもう決まってる状態での顔合わせ的な面接だったので、本格的な面接って本当、何年振りだろうっていうレベル。恥ずかしながらまったく何をしたらいいのかわからず、とりあえず履歴書つくっとくべ。みたいなノリで個人写真を撮りに行く。まじで写真うつり悪くて嫌になる。ってか履歴書とかなちぃーな!最初の就活のときに不器用すぎて何枚も書きまくったおかげで、書き始めたらスラスラ書けましたわ。

 


1件目、小さい派遣会社の面接に行ったのだけど、本当に本当に、習慣って怖いって思った。ビルの3階に入ってる会社さんで、しかもエレベーター降りた瞬間オフィスになってるタイプの会社だったんですよ。完全に油断してポケーっとエレベーター乗っていて、扉が開いて目の前にいた人に反射的に出た言葉「ちわーす」

 


おい小池。おい社会人。「ちわーす」とはなんだ。何語の挨拶か教えてくれ。それともここはお前の自宅マンションか?あぁ怖い。習慣って怖い。まじでゴミ出し行くときにすれ違う同じアパートの住人に言うボリュームとテンションで「ちわーす」って言った。そして次の瞬間、漫画みたいに血の気が引いた。ガラスの仮面のキャラみたいに瞳の中が見事に真っ白になる。わたしの中の姫川亜弓が叫んでいる。「あぁ、なんて恐ろしい子!」

 


19歳の初めての就活の時、就活指導の先生から口酸っぱく言われたことを思い出す。「普段からやってることって、そういう場で絶対に出るんだよ!面接の時だけいい格好しようなんて甘いよ!」これだ。懐かしい。とかいう感傷に浸っている場合ではない。本当に、世の中大人の言う通りだ。あれからもう5年経って今やっとこの言葉の重みを痛感する。

 


それでも相手は大人だから、自爆した挙句1人で目を白黒させている奇妙な女を見ても、1ミリも顔色を変えることなく「あ、面接の方ですか?」とか言ってくれて、わたしはさっきの「ちわーす」で失ったわたしの第一印象を取り戻すべく快活に「ハイ!!」と返事をする。しかしこんな世界一簡単な二文字で取り戻せるわけは当然ない。

 

 

 

しかも今回受けた業種は、販売。厳密に言うとSIMカードの契約。販促なんて未経験だけれど、いままでより体が楽な仕事を探していたし、販売は前からちょっと興味があったから応募した。それでいて第一声が「ちわーす」とは相当肝の座った新人である。面接中も「ちわーす」からの挽回を狙ってひたすら明るく返答する。マイナスからのスタート。ハンデをものともしない図太さ。フッ。燃えるぜ(お前のせい)

 


ところが順調に行っていたのも束の間、面接してくれたたぶん30代半ばくらいの物腰柔らかな既婚男性が、あまりにも話しやすい雰囲気を作るので緊張を忘れ、最後にうっかり本音を漏らしてしまった。

 


「いやぁでも正直、販売はやったことないので自信なくて・・・」

 


!?

 

 

しまった。いや「しまった」とかいう生半可な軽い言葉では済まされない大失態をおかした。面接で「自信ない」なんて禁句中の禁句!オワタやん。面接官の話術にまんまと乗せられた。アンタが!アンタがそういう「何でも話したくなる雰囲気」を作るから!アンタ面接官に向いとらんよ!カウンセラーやれよ!(絵に描いたような逆ギレ)それでもやはり彼は顔色一つかえず「そうなんですねぇ〜。」と言った。が、たぶん内心は「は?じゃあテメェここに何しにきたんだよ?この時間倍にして返せや」だろう。純情かよ。素直かよ。正直かよ。見せなくていいところで見せちゃったね〜「俺物語‼︎」の剛田猛男みたいな稀有な純情さ。よりによって面接という場でな。

 


クズだ。クズすぎる。社会人として終わりすぎてる。エレベーターに乗り込んで、ドアが完全に閉まるまで最敬礼をしている面接官のつむじを見つめながら、そうだ、帰りにツルハドラッグでブリーチ剤を買おう。と心に決めるナスコであった(発想が高校生)。いっそ髪を赤に染めて、ポンポンポーーン‼︎とか言ってるほうがこの世のお役に立てるかもしれない。意外とそっちの才能があるかもしれない。

 

 

 

当然ながら返事の電話は来ることもなく、わたしは今日も平日の昼間っからカップ麺すすってヒルナンデスを観る。今頃あの物腰柔らかな面接官は同僚と近所の居酒屋ランチでも食べながら、「滑稽なちわーす女」の話でケタケタ笑っているだろうか。

 

 

 

ED

悲しい〜こと〜がある〜と〜

開〜くはて〜なブロ〜グ

面接〜官〜の〜あの人は〜

やさしい〜目を〜して〜る〜

 

 

 

 

 

 

(2件目で無事に決まりました。お騒がせいたしました。皆さま、特にこれから就活を控えているそこのあなた。こんな大人になっちゃいけません。)