斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

白いご飯ください

 

 

 

目の前で、岡田将生似のイケメンが頬杖をついて「なんでも聞いていいよ♪」と言ってきたら、わたしは聞きたい。ペヤングソース焼きそばは、一体どこへ向かっているんですか?と。先日スーパーで「スカルプD味」とかいうパッケージを見かけた気がするのですが、あれはわたしの幻覚だったのでしょうか?

 

 

それとわたしは、おでんをおかずに白飯いける派です。あなたは?

するとイケメンは、視線を宙に泳がせてしばらく考えてから「僕はおでんだけで食べたいな」と はにかみました。なぜか自分が否定されたような気がして、わたしは少し傷つきました。

 

「でも、お好み焼きの時はご飯を食べるよ」

 

「でも」という言葉が気になります。どういう意味でしょう。彼はわたしの傷心に気がついてフォローしたつもりなのでしょうか。それともただ単に、同じような例を挙げてみただけでしょうか。彼の目は無邪気に笑っています。

 

「そう。わたしは、お好み焼きの時はご飯はいらないの」

 

すると彼の表情は固まってしまいました。今度はわたしが彼を傷つけてしまったのでしょうか。わたしたちはある意味 似た者同士なのかもしれません。似過ぎていると分かり合えないことがあるのかもしれません。

 

わたしは冷たくなったハーブティーを飲み干しました。

「やっぱりコーヒーにすればよかった。あと、今日は寒いから中の席が良かったわ」

「そうだね。テラス席が好きだと君が言っていたから」

「うん。でも寒いのは嫌いなの」

「じゃあ、うちに来る?」

「ううん。ごめんなさい。それにあなたとはもう会えない」

 

わたしは彼を残して去りました。街を歩いているとクリスマスソングが流れてきました。

そうだ、今日の夕飯はお好み焼きにしよう。駅前に最近できたばかりの鉄板焼き屋さんに行くことにしました。

 

 

「生ビールと豚玉おひとつ、ですね。他にご注文は?」

 

「あ、白いご飯ください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※この話は、昨日見た夢に基づくフィクションです。

 

 

 

 

毎日寒くて外に出るのが嫌になりますが、かといって一人で何日も家にこもっていると頭が変になりますよ。年末年始などの長期休暇の際は、そういったことにお気をつけくださいね。