斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

眠れぬ夜

 

 

今宵は嵐。音が凄いですね。こんなに はっきりと「ピューー」って言ってる風、初めて聞きました。漫画みたいです。

 

あまりに音がうるさいので、音楽を聴いて寝ることにします。こんな日に聴きたいのはこの一曲。

 

 

眠れぬ夜

眠れぬ夜

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また今夜も眠れぬ夜になりそうな気がした

部屋の壁の色褪せ方が気になる今日この頃

 

初めてこの曲を聴いた時、わたしは涙が止まらなくなってしまいました。単純にフジファブリックの話になってしまいますが。このアルバム「MUSIC」はフジファブリックの前ボーカル、志村正彦さんの歌声が収録された最後のアルバムです。このアルバムが完成する前に亡くなったので、既に撮ってあった志村さんの声の曲と、2代目のボーカルとなった山内総一郎さんによる曲がごちゃ混ぜになって収録されています。

 

そいでこの「眠れぬ夜」は、このアルバムの最後に収録されている志村さんの曲です。誰しもこの曲を聴いた時には、既に歌っている本人はこの世にいませんでした。これを最後に持ってくるかよ・・・あまりにも残酷だ、と初めて聴いた時に思いました。酷い、酷いと思って泣きました。演奏もとてつもなく切ないんですよね。「眠れぬ夜」というタイトルなのに、なんだかそんな雰囲気とはかけ離れた壮大な曲調。まるでこうなることがわかっていたかのようなフィナーレ感がすごいんですよ。

 

そしてできれば 何より君に先ず

伝えたい事がある

嫌がられる程何もかも

さらけてしまえたらいい

 

このサビの言葉がまた、どうしてそんなこと言うんだろうって思わせるんですよね。すべて計算し尽くされたような。志村さんは何を伝えたかったんだろう。嫌がられる程にさらけだしたかったものってなんだろう。もっともっと言いたいことや伝えたいことが沢山あったはずなのに。と考えさせられてしまいます。とんでもない曲です。

 

極め付けは、お尻のサビ前の「悲しまなくてもいい」という歌詞です。ここで完全にノックアウトされるわけです。「悲しまなくてもいい」ってなによ・・・。そんな意味はないはずなのに、自分の死を悲しむなと言われているような気がしてたまらなくなります。彼の真意はもちろんそんなことではないんですが、どうしてもそう聞こえてしまいます。

 

最後の最後、曲が終わった後の志村さんの一言がそのまま吹き込まれています。

「結構いいんじゃないかな」

 

 

 

あ〜余計に眠れなくなっちゃったよ。