斜め上からナスコ

言わなくてもいいことを言いたい

暮れなずむ町の

 

 

 

昨晩、わたしは自室のエアコンと対話しておりました。

 

 

私「頼むよ、頼むから仕事をしてくれよ」

エ「無理。寒いし」

私「寒いのはこっちだよ。凍え死んでしまうよ」

エ「は?キモ」

私「そもそも君は部屋を暖めるために存在してるのだよ」

エ「うっざ。だる」

 

 

うちのエアコンはギャルです。ミニスカートにルーズソックスで茶髪巻き巻きのギャルです(古い)

それにしても、ギャルとは会話が成立しません。

 

 

エアコンがすぐについてくれません。スイッチを入れてから10分、長い時はそれ以上、全く動きません。ランプは点灯しているし、風の吹出し口も開くのですが、スコーーーーみたいな掠れた音とわずかな冷気(たぶん外の空気)が出てくるだけで、「今そういう気分じゃねえし」っていう顔でわたしを見下ろしてきます。

 

あんまりしつこく言うとあとが怖いので、しょうがなく彼女の気分が乗ってくるまでの間、風呂に入っていることにしました。暖房云々の前に もう風呂で体温まったなぁなんて思って出てきたら、さっきまで不貞腐れていたギャルが今度はものすごい勢いで仕事してて、部屋がポッカポカのカラッカラになっているのです。たった今 潤してきた肌の水分が、一瞬で蒸発。やればできる子なんですけど、頑張ると周りが見えなくなるタイプですね。

 

 

 

 

 

 

もう一つの問題は、テレビです。こいつがまた怠け者でして。引きこもりニートです。

いつ見ても同じ黒いスウェット上下で部屋の隅に寝転がっています。スイッチを入れると、音は出るのですが、画面がつきません。

 

 

私「ねぇ!あんたはラジオじゃないのよ!いい歳したテレビなのよ!ちゃんと仕事しなさい!」

テ「うるさい!出ていけ!」

私「出ていけじゃありません!ここはわたしの家です!」

テ「そういうのがウザいんだよ!」

 

 

というやり取りを3回くらい繰り返して、やっと画面が映ります。まっったく手のかかる子です。それ以外の不備はないので、たぶん気温が低すぎてすぐ起動しないのだろうと予想しています。今まではこんなことなかったので。それにしても戦前のテレビじゃないんだから・・・。

 

こんなやり取りをするのが面倒くさくて、一回でつかないともう諦めてテレビを観ない時もあるくらいです。おかげで世間の話題についていけてないですよ。札幌のガス爆発事故のニュースも、かなり後になってから知ったんですから。ニートに付き合っているとこっちまで世間から遠ざかりますわ。

 

 

とにかくうちには問題児だらけです。金八先生ワンシーズン分くらいのトラブル起きてますよ、体感としては。「家電は持ち主に似る」なんて、ただの嘘っぱちですね。やれやれ。

 

 

 

 

そうかと思えば、ホットカーペットちゃんは優秀です。

右だけ暖めて!と言えば右だけ暖める。左だけ!と言えば左だけ暖める。全面!といえば全面暖めてくれる。間違えたことは一度もありません。上から布団を敷くと、布団の中までじんわり暖めてくれます。なんと優秀なのでしょう!

 

迷惑をかけているのはむしろわたしの方です。たまに電源を付けっ放しにして出掛けてしまい、何時間も無駄働きさせてしまうことがあります。それでも彼女は帰宅したわたしにギャーギャー文句を言うことなんてありません。控えめにランプを点滅させて、「6時間過ぎたので、消しておきましたよ〜」と優しく教えてくれるのです。まるで真面目な学級委員のようです。金八先生から「いつもありがとうな〜。頼りにしてるよ」と言われるタイプの優等生です。

 

 

 

みんな違って、みんないい。

あ、やばい。金八先生見たくなってきた。